›4 27, 2007

株価算定法

未公開企業の株価算定方法は様々な方法がある。一般的なものとVC(ベンチャーキャピタル)が用いるものについて下記のものがある。

・純資産方式
最も単純な方法である。

 株価=純資産÷発行済株式総数

但し純資産には営業権を付加すべきである。
純資産自体が株主価値の資産であり、資本金および剰余金の集合であるが、過去の時点の積み上げでしかないのが欠点である。

・収益還元方式

 株価=1株当たり予想税引後純利益÷資本還元率

この方式では、将来の予想利益を資本還元率(株主の期待還元率)で割り引く。

・比準方式
PERやPBRの比較により株価を算定する方法
上場企業はすでに市場で株価がついているので、上場企業と比較する方法である。
こちらは、市場の株価トレンドに左右されるという欠点がある。また、上場企業の市場での価値が高いのと、未上場の価値の低いのを比べることに対する疑問点が残る。
未上場でも監査をきちんと受けるなど上場基準並みの信用性があるのが前提である。

・DCF法
将来の業績予測と将来キャッシュフローの予測に基づく。
収益還元方式をより高精度にしたものだ。

資本コストの推計を行う。正確には上場企業の類似企業の資本コストを参考に決める。
WACC 参照

将来にわたるキャッシュフローと残存価値を推計する。

将来にわたるキャッシュフローの合計の現在価値(NPV)と残存価値
の合計から有利子負債を引くのが株主価値である。

株主価値を発行株式数で割り引くことによって株価を求める。

DCF法は将来の予測が株価の決定要因といってもよい。
これまで上場してきたネットベンチャー企業においては、DCFという名の下にVCがかなりいい加減に株価を算定してきた。
株価を未上場のうちに何度も吊り上げ、IPO後に高い株価を設定して売り抜けるといったことをし、上場後はDCFどおりの業績を得られず株価が急降下するといったことが最近では常習化してしまっている。

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