›12 18, 2006

クーデター

Category: アントレ(起業) / 0 Comments: Post / View

企業が発展するに伴い、社員が増え、役員の構成が変わり、株主の構成が変わる。それに伴い創業者兼経営者のワンマン体制が維持できなくなる。

その時の力関係や人間関係、会社の成長の方向性、利益の配分などからクーデターが発生する。

クーデターとは、奇襲により実権を覆す行為であり、権力内部の少数グループが維持する権力で実権を握る行為である。クーデターの失敗、長期化は内乱と呼ぶ。

企業だけでなく、政治、国政の世界ではクーデターにより国家転覆などが過去の歴史からたびたび起こっている。

また、内ゲバという言葉もある。

内ゲバとは、内部ゲバルト(暴力)の略で、内部の思想の対立から起こる内部抗争のことである。
企業においてもクーデターの発生で、経営者が追い出されるケースが多々ある。
例えば、メイテックでは、関口房朗が取締役会で不信任案を出され社長を退いた。セイコーインスツル(SII)も創業家一族の服部純市会長兼社長代行が、実弟と叔父の策略により解任された。
フジテレビにおいても、創業家の婿養子である鹿内信隆が、羽佐間重彰・日枝久を中心としてクーデターにより解任された。

これは、企業において取締役会や監査役会での力関係により、責任追及という形によって起こったクーデターである。

これらの事例は、筆頭株主が社長という座を奪われた形であり、その後も失脚した社長は筆頭株主としてクーデターを起こした役員と怨念のような確執、対立が続くこととなる。

他にも事例が多々あり、株主によるクーデターというものも存在する。

複合的な事例は、クレイフィッシュの創業者兼社長である松島 庸がクーデターによって失脚した事件である。

これは、株主であり、元協業先である光通信、監査役、後に入った役員、スパイ、詐欺師と複数の者から起こされたクーデターである。根本的には光通信によるクーデターと松島氏は説明する。

この事例は出版されており、創業からクーデター発生まで生々しく書かれているのだが、創業者・経営者は孤独な存在であることを思い知らされる。
アマゾンのレビューにもそのようなことが何件か書かれているが、社長は他人を信頼しても、信頼しなくてもまた問題が起こるのだ。

クーデターの対策として最も簡単なのは、非上場で株式を同族だけで持つ。同族といっても兄弟で命を奪い合うこともあるほどだから個人で持つのが最善である。また取締役も同族など信頼置けるもののみにする。社員は増やさない業態にするなどだ。

しかし、会社を発展させるためにはそうもいかないケースもある。そのような場合でも、やはり必須のことでは株主としての議決権(51%以上)を持つこと。役員も身内で固めることである。役員構成は上場に当たっては同族比率は下げる必要があるが、信頼置ける人物で固めることである。

また、怪しい人物、勢力には関与しないということももちろん重要である。クレイフィッシュについては、雑誌や新聞でクーデターは色々聞いていたが、松島氏の本はやはり生々しく、光通信の恐ろしさが伝わってくる。

しかし松島氏、今は何しているのだろうか?これほど暴露して身の危険は無いのだろうか。

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