›12 05, 2006

目論見書

新規上場(IPO)する企業に関心があるのなら、まずは目論見書をみよう。目論見書は投資信託を買う際に読む目論見書の企業版である。上場企業の有価証券報告書と同一と考えてよい。

そこには事業のリスク、財務諸表、過去の決算情報の推移、株主構成、潜在株(ストックオプション)、資本政策、役員の経歴、事業の概要、内部統制など投資に最低限必要な情報が記載されている。

もちろん足りない情報もたくさんある訳だが。

さて、その中で有価証券報告書を読む際とは違う視点が必要になってくるのが、資本政策、株主構成、潜在株である。

上場後に株を売りたくてうずうずしている株主がたくさんいると、上場後株が売られ下落するリスクがある。

例えばベンチャーキャピタルは上場のキャピタルゲインが収益源なので、そもそも長期保有や配当が目的ではなく、売却が目的である。

また、ストックオプションは行使することによって、発行株数が増え希薄化することとなる。こちらも上場後の株を上場前の安い株価で行使することができるので、売りたくてうずうずしている輩が大勢いるはずだ。

例えば、エフェクター細胞研究所は多すぎるキャピタルゲインを投資家が嫌い、会社側は行使開始可能時期を遅らせる発表をせざるを得なくなった。

証券取引所側は上場後の売り浴びせで一般投資家が被害をこうむることを懸念して、ロックアップという売却禁止期間を設けている。

これは、上場申請直前期末の1年前から上場日までの間に第三者割当増資を受けた株式は、上場後6ヶ月間は売却しない覚書を株主と取り合わすことだ。

この期間が過ぎると、売られると考えるべきである。

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