›6 14, 2006

私募債

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私募債は非公募債あるいは縁故債とも呼ばれる。一般的な社債が証券会社を通じて一般に募集される公募債なのに対して、私募債は少数の特定先が直接引き受けることによって発行される社債である。また、社債の勧誘者が50名未満のものを少人数私募債と呼ばれる。

大きな特徴は、私募債は社債の一種なので、銀行借入とは異なり直接金融でありしかも中小企業が利用しやすい点にある。銀行借入においては、担保や保証人が必要となり、毎月の利払いと元本返済も必要となる。

私募債は有利子負債(銀行借入)と違う視点から資金調達の監査がされ、一定の財務水準が無いと発行できない。逆に言えば私募債を発行している企業は優良企業としての評価をPRできる。

発行者(企業)のメリットとしては、銀行と比べ金利を1年後などまとめ払いが設定できるので、ゆとりを持った返済プランを作成できる。さらに利息の支払面で損金扱いできるため節税メリットが享受できる。物的担保や保障料が不要である。


引き受け側のメリットとしては、オーナー企業の場合、社長が私募債を引き受けることによって、社債利子の分離課税税率(20%)が社長の収入に対する総合課税利率より下回るケースが多く、節税効果が得られる。


発行に当たっては、満期償還期間(元本を返済するまでの期間)、金利(クーポン)を取り決める。非常に魅力的な私募債ではあるが、引き受け先(社債権者)を見つけることができるかが重要なポイントだ。


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