›6 12, 2006

キャッシュフロー計算書

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利益は決算方針によって変動するものである。会計基準によっても変わる。また減価償却費がコストとして複数年続くものである。
そうなるとP/L(損益計算書)によって、その会社の真の利益(つまりどれくらいキャッシュが入ったのか)を見るのは難しい。

減価償却費はくせもので、自己資本で設備投資したとしてもP/L上は費用として毎年(期間中)計上される。つまり減価償却費分逆にキャッシュが溜まる。

他にも売掛金は儲けに見えるが、キャッシュがまだ入ってきていない。逆に買掛金はまだ金を払っていないのでキャッシュが出て行っていない。

要するにP/L、B/Sだけを見ても会社についてはよくわからない。会計基準によっても変わるし、概要を知れるだけだ。もちろん企業の提示する財務諸表の脚注をしっかり読めばわかる。でもそこまでするのは大変だ。

現実の動きはキャッシュフロー計算書の現金の動きを見ることによってわかる。


営業活動によるキャッシュフロー
まず税引前当期純利益を基準として考える。そこから実際に入ってきたキャッシュ、出て行ったキャッシュを考える。
これが現実にモノ・サービスを売って入ってきたゲンナマだ。


投資活動によるキャッシュフロー
土地・建物の取得・売却
投資有価証券の取得・売却
貸付金の実行・回収
など営業活動以外のキャッシュフローだ。通常企業は先に投資活動を行い、設備などを整えてから後から利益が入ってくる。投資を行ったときは現金が出ていくのでマイナスになる。

営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを足したものがフリーキャッシュフロー(FCF)だ。

財務活動によるキャッシュフロー
借入金による調達・返済
社債の発行・償還
増資など要するに資金調達に伴うキャッシュの動きだ。投資活動(設備投資など)を行うには、資金を調達するのがメインだ。利益を内部留保し、借金返済に充てるとキャッシュは出て行く。借り入れるときは入ってくる。

このようにキャッシュフロー計算書を見ると企業の状況が現実のモノとして見えてくる。
つくっていない企業はぜひつくって見て欲しい。

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