›5 16, 2006

シンジケーションローンとコミットメントライン

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これまで企業が借り入れを行う為に全ての銀行と直接交渉する必要があったが、シンジケーションローンを用いることで、窓口が一本化できる。

シンジケーションローンは複数の参加銀行が企業に対して窓口(アレンジャー又はエージェントと呼ばれる)を設定することによって、複数行からの金を一旦集めた形で企業(借入人)に貸し出す方式と考えるとわかりやすい。

企業側のメリットとしては、資金調達事務をアウトソースするという形になるので、事務の合理化、財務オペレーションの効率化が図れる。場合によっては、調達金利の平均化によって調達金利の低減に繋がる。

シンジケーション市場は急拡大しており、現在では社債市場を超える規模にまで発展している。

シンジケーションの取引方法であるが、コミットメントラインという契約がある。
これは、借入人は、あらかじめ決められた期間・限度額・条件の範囲内であれば、いつでも資金を借り入れることができる契約である。

また、クラブ・ディールという方法では、既存取引銀行に限定した金融機関によって協調融資を行う。安定性、取引金融機関との関係維持重視の方法である。

これに対してジェネラル・シンジケーションは幅広く資金の調達を募集するので、多額の資金調達、調達先の拡充を期待して利用する。

いずれにしても間接金融でありながらその中で市場ができているイメージである。

貸出金利は基準金利(ベースレート:Tibor)+スプレッド
が適用される。
そのほかシンジケーションのアレンジメント・フィー(幹事手数料)、エージェント・フィー(事務管理手数料)、その他諸費用(契約書作成の弁護士費用など)が発生する。

コミットメントライン契約は当座貸越契約と似ているが大きく異なる。
当座貸し越しは金融情勢の変化など銀行側(貸付人)都合で一方的に解除できる。コミットメントラインでは、融資限度額内で貸付義務を負っており、よほどの理由が無い限り貸付人が貸し出しを拒絶することができない。

このような安定感から、コミットメントライン導入によって流動性が確保でき、有利子負債の削減といった財務体質改善にも繋がる場合がある。

シンジケーションの組み方であるが、メガバンクがコア銀行となり地方銀がシンジケーションに加わるパターンが多いようである。

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