›5 23, 2005

成果主義

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スポーツの世界でイチローや中田が突出した能力の持ち主で、
まったく組織に依存せず世界を渡り歩くことが出来る。

同様にサラリーマンでもスーパープレイヤーが生まれつつある。

能力に見合った給与、いや相対的に突出した人材をスーパー
プレイヤーとして多大な報酬を与えるケースは増加している。

優れた個人プレイヤーは組織に依存しない。能力開発も組織に
依存せず自己啓発に励む。

経営者にとっては、スーパープレイヤーをつくり特別な報酬を
与えることは望ましい。

ヘッドハンターや転職斡旋コンサルタントも、労働者に自己啓発
と組織に依存しない能力をつけるよう進めており労使一致して
いる労働者像となりつつある。

スーパープレイヤーが労働者層にいることにより、労働者層に
上層志向が芽生え競争意欲が湧き、士気が向上する。

一方で労働者の団結というのは徐々に薄れる。スーパープレイ
ヤーがいたからといって利益は経営者層と株主に分配される。
労働者の給与はコストである。スーパープレイヤーは自分の
給与に不満はないので会社と敵対することはない。また、組織
に依存しないので団結して会社と敵対関係になるのは非合理
である。

労働者階級はスーパープレイヤーがいることで、士気が向上
し生産性もそれにともない向上するが、会社の支払うトータル
賃金に変化はない。

スーパープレイヤーの存在は団結を弱める。徹底した労働者
の競争社会では他者より優位に立つには労働時間外の自己
啓発が必要となる。これはチームプレイではない。

<<<従属>>>
日本を代表するメーカーに勤めていた知人の話をしよう。その
企業は完全な成果主義で有名なのだが、知人もスーパープ
レイヤーとしてみるみる出世していった。企業内の大規模な
組織のトップにまでなった。スーパープレイヤーとなるには、
想像を絶する努力と忍耐が必要である。競争も激しい。
実は知人は昨年他界した。仕事中倒れたのだが、入院した
時には体中ボロボロだったそうだ。

考え方の問題かもしれないが、家族にとっては名誉に思って
いるようだ。学歴のなかった彼があそこまで組織を登りつめ
ることができたのは、会社がスーパープレイヤーを生み出す
風土と環境があったから。

同僚や彼を知る者は会社の犠牲になったと嘆く。

一方その創業者は、日本を代表する経営者として有名だ。多くの
書物を書く。今は経営からは退いているが口は出す存在だ。

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