わずか4年ちょっと前の記事ですが、インターネットの世界は恐ろしく変化しましたね。
Napsterの無料mp3交換も今や著作権違法ということでビジネスモデルを変え、
appleのiTuneに対抗するような有料ダウンロードサイトとして今アメリカでは復活を目指しています。
今回は、音楽ファイルmp3の無料交換ビジネスを取りあげたいと思います。
米国ではNapsterの登場でもう音楽CDを買わなくなった人が増えたようで
す。
日本では、まだそれほど普及していないようです。
日本は保守的な国で、警戒心が強いのと音楽そのものよりも付随するCDジャ
ケットや歌詞カードなど物に対する愛着心が強いのが原因でしょう。
▼ 無料音楽交換ビジネス ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(o^.^o) 「インターネットが登場してから音楽の曲を無料で入手できるよう
になりました。とても便利です。」
無料で曲が入手できるということは、作曲者やレコード会社にお金が入って
こなくなるね。
('_') 「そんなのボクの知ったとじゃないですよ。ボクは無料ならなんで
も貰う主義なだけです。」
でも、なんでも無料で手に入れられたら作る側の意識が変ってしまうよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 解説 ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■Napster:
Napster社による音楽ファイル無料交換システムのことである。ユーザーは
無料で利用することができる。ユーザーは自分のPCに格納されている音楽
ファイルを開放し、自分の欲しいミュージシャンの音楽を検索し、それを持
っている人がいれば、その人のPCからNapster経由で自分のPCにダウンロー
ドすることができる。尚、自分のPCに音楽ファイルがあらかじめなくても利
用可能である。
□無料音楽配信ビジネス
そもそもこれはビジネスモデルではない。インターネットの登場のはるか以
前から、私達は自分の持っている音楽テープを友人と交換してきた。それが、
インターネットと音楽のデジタル化で世界中に無差別で浸透しただけである。
音楽ファイルはデジタルの世界では複製が容易であり、インターネットは場
所を問わないからだ。
Napsterの利用者は5100万人を超えており、毎週数億曲が無料で交換さ
れていると推測されている。
現在も米国ではNapster社が著作権法に違反しているかどうかで非常にもめ
ている。問題なのは個人どおしの音楽ファイルの交換の中間にNapster社が
入っているからであろう。
このように音楽ファイルが無料で交換される事態が続けば、音楽産業は大打
撃を受けるためNapster社を相手取り著作権法違反訴訟と損害賠償請求を行
なっている。
一方、ミュージシャンの間では、このような無料音楽ファイル交換を反対し
ている者と賛同している者がいる。
反対派の意見としては、無料で交換されることにより音楽産業が衰退し、ミュー
ジシャンの収入が減り音楽創作意識が減退する。結果として良い音楽は生ま
れなくなってしまうというものだ。
賛成派の意見は、無料で交換されることにより、あらゆる人が音楽に接する
機会が増える。結果として音楽のレベルがアップするというものであるようだ。
賛成派のミュージシャンは音楽を収入の手段とは考えていないようだ。
"Napster could be a great way for people to hear your music who
wouldn't have the chance to hear it on the radio."
-- Madonna, Rolling Stone, 9/28/2000
Napsterを応援するミュージシャンの声は下記を参照されたい。
http://www.napster.com/speakout/artists.html
Napster社は音楽産業の訴訟を受けサービス中止に追い込まれるかもしれない。
だが、Napster以外に無料で音楽ファイルを交換する技術はあるのだ。
Gnutellaと呼ばれる技術である。GnutellaはNapsterのようにユーザーとユー
ザーを仲介するシステムではなく、各ユーザーのPCとPCを直接結びファイルを
交換するソフトウエアである。
筆者もさまざまなGnutellaを利用しているが、Napster程の操作性と安定性に
は至っていないようだ。
Napsterは会社であり取り締まることが可能であるが、Gnutellaはゲリラのよ
うなソフトウエアであり取り締まることは不可能に近い。
また各ユーザどおしで直接ファイル交換をするため、著作権法に違反しない可
能性がある。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ コラム ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□今後の音楽産業はどうなるのか?
音楽産業が無料音楽交換に対抗するためには、技術的に音楽が交換できないよ
うにするか、あるいは音楽販売以外に利益を上げる仕組みを作らなければなら
ない。
このまま、音楽が無料で交換されつづけ、誰も音楽を買わなくなってしまった
らどうなるか。
あるものは音楽は廃頽すると言い、あるものは音楽レベルが向上すると言う。
音楽産業が抱えるミュージシャンの中にはわずかに優れた者はいる。しかし、
徹底したプロモーション活動により人気が出ただけで、音楽自体はレーベル所
属も素人も差がないと筆者は個人的に考えている。
音楽産業は売上至上主義のため誰にも受け入れられる音楽づくりを目指している。
最近は音楽自体のレベルの向上が軽んじられている。効果的なセールスプロモー
ションによって購買意識を高めようとしているのだ。
そのため、最近ではメジャーレーベルを嫌い、インディーズレーベルで活動す
るミュージシャンが増加している。金よりも音楽を愛する連中だ。また、売れ
ないミュージシャンの中にも優れた音楽があると多くの消費者が認識するよう
になってきた。
個人の価値観が多様化した現代では、自分にあった音楽が求められていると感
じる。
無料音楽交換は音楽産業を廃頽させるであろう。だがその結果として、日の目
を見なかったすばらしい音楽が台頭する可能性もある。
Apple iPod shuffle 512MB M9724J/A | |
![]() | アップルコンピュータ 2005-01-15 売り上げランキング : 1 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |