›5 09, 2005

プロモーション戦略

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さて、いよいよマーケティングも大詰です。今回から4PのPromotionを学
んでいきます。
理論編をベースにしながらも、都度号外として様々な情報を発信していこう
と思います。

▼ プロモーション戦略 ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

( -.-) 「やっとこさ開発した人気商品が全然売れません。」

製品自体に問題があるんじゃないの?

(`´) 「何言ってるんですか(怒)。店頭で買ってくれたお客さんは皆大喜
 びして買って帰ってくれますよ」

じゃあ。プロモーションは行ったの?

(∵) 「あ!忘れてました」
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▼ 解説 ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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自社の製品・サービスが如何に優れていても、顧客の認知度が低いため売れ
ないケースは多々ある。
逆にプロモーションが優れているため、質の低い製品・サービスでも驚くよ
うな人気を得ることもある。

■プロモーション
製品の存在、効用、利点などをコミュニケーションによって市場(消費者)
に伝達し、顕在的なニーズに訴求しすることによってその市場に受けいれて
もらい、マーケティングのプロセスは完結する。

■コミュニケーション
マーケティングではプロモーションをコミュニケーションとして捉える。
送り手(企業)から受け手(消費者)への伝達であるが、その過程にはノイズ
が存在する。また受け手から送り手への伝達をフィードバックと言う。

(1)ノイズ
コミュニケーションのプロセスを妨害する全ての要素のことである。
ノイズの存在により、受け手は、送り手が伝達したメッセージとは異なった
内容のメッセイー時を受けることになる。
ノイズには以下のようなものがある。
・TVやラジオの受信を悪化させる別の電波
・TV広告に対する家族との会話
・セールスマンの誤った製品情報、競合製品の広告

(2)フィードバック
伝達されたメッセージによって起る、受け手の変化のことである。
例えば以下のようなものがある。
・製品の購買・非購買
・態度の変容
・投書
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▼ コラム ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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音楽業界で「GRAY」「宇多田ひかる」「モー娘。」は何故爆発的なヒットを
遂げたのだろうか?
「宇多田ひかる」は600万枚を越す大ヒットを飛ばしたが、TVに出演しなかった。
だからといってプロモーション活動を行なわなかったわけではない。
むしろ積極的にプロモーションクリップを展開した。

TV出演は広告とは異なるパブリシティに属する(メリット等は下記参照)が、
リスクも伴う。
広告と異なり、外見・スタイルといった美貌や話し方・言葉使い・振舞い方
をごまかすことができないからだ。
TV出演を控え、何度も編集して完璧にしたプロモーション・クリップ映像を
徹底的にTVに投入することの方が効果的であったのだ。
また、流行最先端の「R&B」、「有名演歌歌手の娘」、「米国育ち」といった
ブランドも備わっていたのは他歌手との差別化に役立った。

CDアルバム本来の価値はどうであろうか。CDアルバム自体は本来は音楽
性だけが評価されるはずである。
しかし、彼女がプロモーション活動を一切しないでCDを発売していたら1万
枚売り上げることも非常に困難であったろう。
実は「宇多田ひかる」は日本デビュー前に米国でCDを発売しているが、人
気はでなかった。

日本の音楽産業が音楽の価値よりもプロモーションに頼っているのは問題か
もしれないが、それほどプロモーションの威力は凄いのである。

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価格・プロモーション戦略―現代のマーケティング戦略〈2〉
上田 隆穂 守口 剛

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