›5 27, 2011

語学は継続が命

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英語を社内公用語に採用する企業が増加している。経済のグローバル化に伴い英語が標準ビジネス語として今後さらに定着していくだろう。
企業は海外取引が増加し、人件費の安いローカル人材の採用が増加する。縮小する日本経済から海外需要を取り込むべく、製造業だけでなくサービス業までもが海外進出を加速していくだろう。
ビジネス共通語としての英語だけではなく、更に加えて中国語など第二外国語までも要求する企業も登場しているのが現実なのだ。

ところが、ビジネスの世界で語学というのは、「出来る人」と「まったくダメな人」に綺麗に二分される傾向がある。また、英会話教室に通ったり、教材に金をかけてもまったくできない人もいる。逆に対して努力しているように見えないのに、ビジネスで語学力を発揮する人もいる。
この違いはどこにあるのだろうか?

語学の根本的な能力を考えてみると、どこの国の子供でも知能障害者でもその国の言葉を使うことができる。日本人なら誰もが文法なんか勉強しなくて日本語が達者にしゃべることができる。他の国でも同様だ。

幼い時に学ばないと語学力は身に就かないという説もある。確かに子供の記憶はすごいものがあり、語学を習得するのも早いが、忘却もまた早いのだ。
子供の頃の記憶はほとんど無いのにもかかわらず、成人になってからは5年前の出来事を鮮やかに思い起こすことが出来る。また、成人になってからでも年老いてからでも、必要に迫られて外国語を習得した人は数多く存在する。

英語をはじめとした語学の壁は、記憶と忘却にあると考えている。海外留学を終えて語学を習得したにもかかわらず、数年でほとんど外国語を聞きとれもせず、単語も忘れてしまう人もいる。他方、留学後に日本での生活だけにもかかわらず、更に語学力が上達している人もいる。
これはいかに語学に継続して触れているかが重要であることの証明である。

ある程度語学力が身に就くと、テレビ、新聞など外国語を触れて情報を習得することが出来るようになる。それでも母国語である日本語の方が情報収集が遥かに楽なためそれを怠る人がいる。せっかく高い英会話教室に通いながら、教室の外では英語に触れない人もいる。

我々が日本語を話せるのは、毎日日本語を使い記憶に定着させ、新しい言い回しを覚えるという作業を無意識のうちに行っているからである。
子供がすぐに言葉を覚えていくのも、毎日言葉に触れてどんどん新しい言葉を記憶させているからである。

つまり、外国語は習得しても使わなければ忘却してしまうのである。

仕事で英語が出来る人は、どんどん英語が上達する。
それは英語に触れる時間が長く、記憶が定着し新しい単語や言い回しを覚えていくというプロセスを行っているからである。

このような語学習得の仕組みが分かれば学習法も自ずから見えてくる。
初期の段階は、とにかくインプットを中心に単語の暗記、リスニング、リーディングを繰り返し行い、ネイティブ用のテレビ番組や新聞が少しでも理解できる領域に到達することである。
ここまでくれば、辛い学習という一線を越え、趣味の領域として子供向け番組を見たり、ニュース番組を見ることによって継続することが非常に楽になる。

「語学習得のためには外国人の恋人を作れ」という学習法(?)もあるが、これも語学習得のプロセスとしては同様で、継続してインプットを行うことができる点がポイントである。幸いなことに恋人をつくらなくても、英語であればテレビの二カ国語放送もあれば、ケーブルテレビもある。無料のPodcastingやYoutubeの動画も満載だ。

中国語の学習に関しても、沢山の安価な教材であふれている。例えば、日本のテレビ番組の吹き替えDVDは「ちびまるこちゃん(小丸子)」をはじめ、多く海外で出回っている。

逆に考えれば、これだけ学習のための教材があふれているということは、外国語ができなければビジネスで土俵に上がれない程グローバル化が進んでいることの証明でもある。毎日必ず少しでも語学に触れよう。


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