›9 24, 2010

円高での日本のダメージ

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

為替介入したといっても未だに日本円は対ドル80円半ばを推移している。米国の一層の金融緩和を考慮すると円高圧力は未だ強いという意見が多い。
さらに日本はデフレに陥っているが、これは先進国共通であり、OECDによると日本の消費者物価水準は内外価格差で米国の1.4倍とのことである。
米国の大手小売であるウォルマート、コストコの日本におけるポジション強化は、圧倒的低価格での販売が可能であることを示していると思う。ただでさえ巨大資本と世界購買力があるのに対して、内外価格差が大きいため、日本では高くモノが売れ、為替差益も大きいということになる。

円高で海外の生産物が安くなることにより、輸出業者の利益圧迫のみならず、国内向け生産も大きなダメージを受ける。海外製品との競争で圧倒的な不利になるためだ。

現在の日本の問題は円高と不況が同時に起こっているのと、輸出産業中心の産業構造から転換が進んでいない点に上げられる。
そもそも通貨の高さは国力の象徴でもあり、国の株価のようなものとも考えられる。ところが産業構造が製造業中心のため、ますます景気が悪くなり、デフレが一層ひどくなるという悪循環に陥っている。本来内需拡大の展開を目指すべきなのだが、少子高齢化で人口が減少するためそう簡単に産業構造が転換できないという問題と、国債発行の多さがやがて通貨価値の下落(インフレ)に行く予想もある。
将来の国債の暴落とインフレは、財政収支の悪化から避けられないという予測が多い。またリベラルの民主党政策では、消費税増税という切り札を社会保障に回すことになれば、税収増加が期待できないと判断されかねない。

経済や為替の動きがダイナミックに転換される経済状況をいかにうまくコントロールできるかが問われている。

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