›6 20, 2008

擬似資本

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中小企業白書によると、「我が国の中小企業金融の特徴として、金融機関からの借入金の一部は借換え等により、実質的に返済資金を調達する必要がなく、中小企業にとって資本的性格を有する資金と認識されており、中小企業の自己資本を補完しているといわれている。」

擬似資本とは、借入のうち金融機関からの借換え等により、事実上返済資金を調達する必要がない部分を指す。

「本来は、企業が「資本」として備えていなければならないにもかかわらず、金融機関からの借入によってまかなっており、事業キャッシュフローからの返済が困難な性質のもの」
と書かれている。

金融機関にとっては、金利収益があり、経営陣にとっては新たなる資金調達が必要なくなるが、長期的に考えればデメリットの方が大きいのではないか。

金融機関にとっては、将来元本の回収可能性の変動がありうるし、経営陣にとっては返せるときに返して自己資本で充実させるべきだが、中小企業経営者には「借りた金は返さない(金利だけ払う)」というのが常識になってしまっているところがあるのかもしれない。
もっとも、中小企業においては所有と経営が分離されておらず、経営者兼オーナーは給与所得として報酬を取り、企業としては利益を出さず株式配当も出さないところがほとんどなのではなかろうか。

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