以前為替レート変動の法則で円高時の影響と為替レート変動に働く法則を紹介した。
しかし、購買力平価説(PPP)、金利裁定がもはや働かない世界の為替レートに移行しつつある。
現在では、不自然な為替レートとなっている。
円安
元安
ユーロ高
ドル高
円安、元安は日本、中国がドルを買っていることに起因する。元はペッグだが。
円安、元安によって日本、中国の製品が海外で売れ、貿易黒字、為替差益を得ている。
また日本の低金利を利用して、ヘッジファンドを中心として円のキャリートレードが発生している。
世界中が今、円を売って利回りの高い海外債権を買っており、そのため実態以上の円安が進んでいると見れる。
こう考えてみると、中国の製品、日本の製品が売れるのは海外からは安く買えるからであり、メーカーの国際競争力が高いとは言い切れない。
他方で、日本・中国の製品を消費国は米国であり、欧州である。米国、欧州では自国の通貨高を背景に海外製品の購買力が向上している。米国に関しては、借金体質、消費意識が強いというのもあるが、欧州に関しては急速なユーロ高が強い要因だと思う。
さらに米国の債権を中国、日本が買い進めることによってさらなる円安、元安は進む。
しかし考えてみると米国の赤字を中国、日本が中心となって埋めているとも捉えることができ、ドルが世界通貨という高い信用力があることが前提であることが明らか。しかしユーロが世界通貨としての地位を高めており、また金利も上げていることからドルからユーロに外貨準備を切り替えたらドルの信用は地に落ちるだろう。
そうなったら米国以外にも被害が拡大する。日本、中国の輸出国からの消費が望めなくなるから。製造業が外貨が稼げなくなる、もしくはドル安になると収益が一気に低下する。
ドルの地位が低下しなくても、仮に日本、中国が生産するものが魅力が無くなり売れなくなる自体になっても同じ形になると思う。
FXでも金利差でずいぶんと儲けている人が増えているが、なんだかその裏にはバブルの頃のようにいつはじけてもおかしくない不自然な為替レートの元に成り立っているんだと思う。