HII(Herfindahl-Hirschman Index)とは日本ではなじみが無いが、市場において寡占度を測る指標として使われる。
HIIは市場に参入している各企業のマーケットシェアの2乗の和で求められ、この指数が大きいほど寡占度が高いことになる。
マーケットシェアがx%だとすると、HIIはx^2(xの2乗)%となる。
1社による独占の場合、
HII=100^2%=10,000%
となる。
1社寡占で残り2社ある場合、(シェア80%1社と10%2社とする)
HII=80^2+10^2+10^2=6,600
HIIによるとM&Aによる合併メリットは市場シェアの拡大以上のものがあることがわかる。
仮に市場シェアが30%の2社が合併したとする。
市場シェア=30+30=60%
であるが、
合併前のそれぞれのHIIは
HII=30^2=900
で
合算しても1,800である。
ところが合併後のHIIは
HII=(30+30)^2=3,600
となる。
(a+b)^2=a^2+b^2+2ab
であり、合併することにより、
2abだけ余計に市場シェア(市場集中)効果がある。
上記の例であれば、2*30*30の効果だ。
これが世界中でM&Aによる合併、経営統合が行われるひとつの背景でもある。