›6 03, 2005

リベニューシェア

□ リベニューシェア(revenue sharing)

今手元に金が無いのだけど、ある事業をどうしてもやりたい。やれば、きっ
と儲かる。

そんな事業は沢山ある。

そして、そのような企業のニーズに応えるのが銀行であり、ベンチャーキャ
ピタルである。
銀行の場合は、貸出先に担保を要求して金を貸す。貸出先企業の事業計画が
潰れたときもちゃんと回収できるように。リスクを負わないで貸すのだ。
このような貸し出しを融資といい、企業が銀行から金を借りるときは、バラ
ンスシート(貸借対照表)の右上の負債の欄に記入される。

他方、ベンチャーキャピタルや投資家の場合、お金を貸すのではなく投資す
る。企業のリスクにお金をかけるのである。投資した金が返ってこないリス
クは高い。
企業が投資を受ける場合は、バランスシートの右下の資本欄に記入される。

企業の立場にもよるだろうが、投資を受けるほうが事業が失敗した場合に返
済するリスクが小さくて良い。だけど、投資をされると会社の経営にも色々
口出しされてややこしい。

融資にせよ、投資にせよ大掛かりで面倒くさい。
この面倒くささを簡単に、しかも銀行もベンチャーキャピタルも投資家も
いらずにできるのがリベニューシェアである。

リベニューシェアとは、金を集めるのではなくて、事業に必要な道具、イン
フラといったものを無償で譲り受け、その事業が利益を出した時点で、それ
らを提供してくれた企業に利益配分する仕組みである。

簡単に例えると、ある企画屋が、骸骨専門店を考えたとしよう。(ありえな
いけど)、だけどお金を全く持っていないとして、専門店に必要な建物、
商材の骸骨を「成功したら利益を分配するから無料でつくって」ということ
である。

親からお金を借りるときに「出世払い」というのと同じ考えか。

まあ例え無料で提供してくれなくても、事業計画が素晴らしかったら、安く
してくれることはあるだろう。

営業マンが、お客さんにリベニューシェアと言われたら泣くことが多い。
だいたい、営業マンはお客さんのビジネスなんかに興味が無く、自社製品が
売れることしか考えていないから。
それに、売上げが立たないので、営業マンとして評価されないことが多い。
第一決断できないことが多い。

だが、リベニューシェアの動きはますます広がっており、今後はこの言葉を
聞く機会は増えていくだろう。
営業マンにとっては痛いが、お客さんと深い関係になれることを考えれば、
会社としては良いとも考えられる。
自社もお客さんと一緒に事業をしているという気分になれるだろう。

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伸びている会社で社員を使い捨てにしているとこがある。社員は悲惨だ。

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