›6 01, 2005

交渉術-その2「メンツ」

今日はアメリカはメモリアルデーで休みでした。第2次世界大戦に勝利した喜びを祝う日であります。

昭和20年8月6日米国トルーマン大統領の支持のもと、原子爆弾が広島に
投下された。広島の人口35万人のうち、7万人が即死。その後11月まで
に6万人がさらに死亡。昭和25年までにさらに7万人が死亡した。
放射能はすさまじく、次世代の子供にまで及んで悲劇が連鎖されている。
過去、米国からの謝罪は一切無い。

この悲劇を忘れてはいけない。
そして、国のために戦って亡くなった人達への感謝も忘れてはいけない。

今年も、8月15日に終戦記念日を迎える。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 交渉術-その2「メンツ」 ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ 交渉

さて、前回からの続きである。

隆は協業しているA社と一緒にプロジェクトを進めているが、プロジェクト
を実現するための費用のところでA社担当者の亀山亮と折り合いがつかない
状況になってしまった。上司は費用を全額A社に負担させろと言う。
そのような交渉を引き受けてしまったので、なんとか主張を通さないと自社
での評価も下がってしまうであろう。そこで、交渉に挑んだ。

<ケース1>
「亀山さん、頼みますよ。今回は御社で費用を持ってください。僕も会社
 でさんざん言われてまして。お願いしますよ。今度メシ奢りますから。」

<ケース2>
「今回の費用は弊社は一切出せませんよ。御社で全額お願いします。以前の
 ケースもあるし、御社が全額費用を出す義務があるんですよ。このプロ
 ジェクトが潰れたくないのだったら、わかってますよね。」

前回は、このようなそれぞれのケースがどのような結果を導くかを予想して
もらって終わった。

恐らくこんな感じの結果を予想したのではないだろうか?

<ケース1>
 相手との関係は良いが、交渉は弱い。
 交渉に時間が掛かる。
 下手に出るので、下手をしたらなめられる。
 信頼関係はできる。

<ケース2>
 主張を無理に通そうとしている。
 主張の裏づけがあったら強い。
 相手は感情的に怒らせそうである。
 短期間で交渉が終わりそう。
 決裂の可能性もある。

といったところであろうか?

それぞれのケースで良し悪しはあるし、状況によってどちらかのケースに
なることもある。
だが、性格によってそれぞれのケースに分かれることもある。
皆さんは基本的にどちらのケースが多いだろうか。

やはりケース1のようにソフトな感じで話を進めて、交渉の焦点はケース2
のように硬く行うのが良いと思う。

どのようなことかと言うと、交渉というのは、交渉の焦点、すなわち「問題
点」の部分と、人間関係の部分に分かれるので、それぞれについて考えて
いかなければいけないと思うのだ。

特に人間関係という部分は日本では重要だと思う。ドライな交渉ができない
のも人間関係の部分が大きいからであろう。yyおう

ただし、人間関係だけに焦点をあわせると、媚びへつらったり、接待で相手
を持ち上げるとか、相手のメンツを立てることばかりに注力することになる
が、やはり「問題」の部分は人間関係と無関係に交渉を行うべきだ。

即ち、「問題」の部分と「人間関係」の部分を切り離し、それぞれに対して
交渉のプロセスを進めるのだ。

□ 人間関係の部分

問題点とは別に、相手の立場に立って考えてみよう。
一言で言えば「メンツ」だが、相手の立場・環境というものがある。
・会社での上司からの評価
・部下からの信頼関係
・会社としての立場
・個人的な感情
・自分と相手との相対的な関係
などだ。

このような相手の「メンツ」を立てることを基本にし、悪くても相手のメン
ツは潰さないように、うまく交渉を進めるように考えるべきである。
そのようなことを考えると、当然交渉の最終イメージは変わってくるが、
交渉のプロセス、交渉における話し方だけでも大きな影響を与えることがで
きる。例えば価格交渉において、相手は上司から値下げすることを強く迫ら
れている状況だとする。このような場合、問題点である「値下げ」といった
視点ではなく、例えば、価格が業界で妥当であることの根拠を示したり、
コスト視点からこれ以上価格が下げられない根拠を示したり、さらに相手の
上司を説得する材料を提供することができれば、相手は納得してくれること
もある。
つまり、問題点は「値下げ」なのだが、相手が交渉しているのは、相手のメ
ンツを保つのが主な目的であれば、メンツを保たせてあげれば良いのだ。

この例では、相手が上司から値下げを強く迫られていることを、事前に察知
しなければならないが、これも結局人間関係を築いて聞き出すことだ。

以上のように、交渉においては人間関係という側面があり、非常に需要であ
る。

人間関係を考えた上で、いよいよ本質的な「問題点」についての交渉を考え
ていくことになる。これは次回に続く。


◎本
「ヤクザに学ぶ交渉術 」

ヤクザに学ぶ交渉術
4344403126山平 重樹

幻冬舎 2002-12
売り上げランキング : 4,290

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ヤクザに学ぶ指導力 ヤクザに学ぶ決断力 他人に言い負かされないための心理学―“大人のケンカ”に強い人が生き残る ヤクザに学ぶ「ビジネス戦闘術」 現代ヤクザに学ぶ最強交渉・処世術

アマゾンで売れまくっているようです。ヤ○ザの交渉は命がかかっています
からね。いちゃもん、難クセ、いいがかり、恐喝、恐ろしいテクありまくり
でしょう。それはもう必死ですね。しかし基本は「筋を通す」にあるという。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【SkillStorage.com】経営戦略入門
発行/編集元:Skill Storage
mailto:fatty@skillstorage.com
バックナンバー:
  Check out http://skillstorage.com/kei/index.php#backnumber
登録解除は以下のURLで行うことができます。
  Get back http://skillstorage.com/subscribe
当サイトへのリンクは自由です。又、引用・転用について御希望の方は、
当編集部までお問い合せ下さい。
Copyright(C), Skill Storage.com., 2000~2003
---------------------------------------------------------------
Reproduction of this publication in any form without prior
written permission is forbidden.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
俺たちを取りまく環境は競争だ。勝てば喜びがあるが、負ければ屈辱しかない。

Comments