›5 21, 2005

ポーターの競争戦略論

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2002年頃の記事です。

長野県知事問題はますます泥沼化しているようですな。
県民は70%以上が指示しているのに対して、県議会は1割を割っています。

県議会の年寄りがミーハーな県民がだまされているだけだなどと、言ってい
たのですが、県民の70%以上がだまされていると主張ですな。
県民は馬鹿であるという前提でしょうか?

県議会側の知事批判は、感情的なものであり知事政策とは直接関係ないよう
に感じられます。

これは知事に知事としての器がないということなのでしょうか?

▼ ポーター(ハリーポッターとは関係ありません)の競争戦略論 ▼━━

(´ο`) 「これだけ景気が低迷すると、競争が激しくなってうちの会社
      も生き残るのに必死だよ」

ここでいう競争ってどういうこと?

(丶`∀´) 「えーっと、消費者が最もサービスの良い企業を選ぶように
       なって、さらに企業間で消費者獲得の動きが激しくなった。」

競争企業はどんな方法で消費者獲得しようとしているの?

(`д´)「低価格化です。デフレの日本経済ではしょうがないのでしょうか?」

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▼ 解説 ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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□□ポーターの競争戦略
多くの読者がある程度聞いたことであろうポーターの競争戦略論を紹介する。
既にファイブ・フォースやバリュー・チェーンは聞いたことがあるかもし
れない。
今回は、競争戦略論とは何か?という初歩から説明する。
バリュー・チェーンについてはまた今度。


□全ては競争だ
「企業を取りまく環境は競争だ」「成功か失敗かは競争により決る」
ポーターの言葉だ。
企業が特定の市場を選択したら、同業他社などとの競争は避けられないのだ。

競争戦略とは、特定の製品・市場分野で、競合他社に対して競争優位性の獲得
を目指す基本戦略のことである。


□ファイブ・フォース
企業を取りまく以下の5つの脅威のことだ。
ポーターは企業を取りまく競争環境が、産業の収益性、企業の戦略に影響を
与えると考えた。
ポーターはあらゆる市場であっても、以下の5つの要因によって競争ルール
が決定されると考えた。

 (1)新規参入の脅威
 (2)代替品による脅威
 (3)買い手の交渉力
 (4)売り手の交渉力
 (5)業界内の競争関係
(下記図参照)

競争戦略の目的は、競争ルールを利用して、自社の利益に結びつけることで
ある。
ファイブ・フォースを利用することで、複雑な業界構造を理解でき、競争の
最重要要因を特定でき、なおかつ自社の収益性を向上される戦略を策定でき
る。

           ┌──────┐
           | 新規参入 |
           └──────┘
               ↓
┌──────┐ ┌───────────┐ ┌──────┐
| 買い手  |→| 業界内の競争関係  |←| 売り手  |
└──────┘ └───────────┘ └──────┘
               ↑
           ┌──────┐
           | 代替品  |
           └──────┘


(5)業界内の競争関係について
業界内で競争にさらされるのは以下の原因による。
 1.同じくらいの力の競合企業の数が多い場合
 2.産業自体の低成長
 3.高いコスト、貯蓄コスト
 4.差別化、スイッチングコストの欠落
 5.莫大な利益を争う場合
 6.様々な競争者がいる場合
 7.参入に高い資本が必要だった場合
 8.高い撤退費用が必要な場合

□参入障壁について
参入障壁とは新規参入を防ぐ壁のことである。
参入障壁を設けて、新規参入の脅威を防ぐ戦略がある。
 (1)規模の経済の理論
   圧倒的なスケールメリットを追及することである。
 (2)製品差別化
   製品の自社独自の差別化
 (3)資本力
 (4)スイッチング・コスト
   消費者が他社製品に切替えるときのコストである。
 (5)チャネルへの到達距離


※高い撤退費用について
高い撤退費用には以下のものがある。
・特別な資産
・撤退への固定費用
・戦略的な企業間の相互関係
・感情的な障壁
・社会的、政府の規制

多くのビジネス書が出版されているが、そのなかで理論が体系化されている
ものがどれほどあるだろう。
例外的に成功した事例や目新しいテクニック的な戦略を掲げる書物も多い。

だが、ポーターの示した競争戦略論は恐ろしいほどシンプルで明快だ。
そしてポーターの競争戦略論はビジネスモデル構築、マーケティング、そして
撤退の時期の策定まで一貫して使われる。

企業の経営者、マーケターで戦略論を知らない者はもぐりとまで言われるよ
うになった所以が感じられるほどだ。是非ポーターの本は常に机上において
いただきたい。次回はポーターの戦略を見ていこう。

競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか
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▼ コラム ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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「マネーの虎」というテレビ番組について最近いろいろ議論されることが
多い。
この番組はベンチャーを立ち上げようとしている若者が、成功した企業の
経営者に自社PRして資本を出資してもらおうとしたり、あるいは倒産に
瀕する経営者が同じように自社PRして資本を出資してもらおうとする
番組である。

お金をもらおうとしている者は必死だ。
ベンチャーを立ち上げようとしている若者は自信たっぷりでPRするのだ
が、なかなか社長さんがた(出資してくれる経営者)には思いも、ビジネ
スモデルも伝わらない。

社長さんがたは、主に若者の人柄を見ている。
気に入らなければ、徹底的にこき下ろし、気に入れば出資してくれるよう
に思える。

この番組に出てくる社長さんがたは、投資家ではない。
現在もある業界では成功している経営者かもしれないが、出資するに値す
る人物かと考えてみるとそうでもないようだ。

というのも、社長さんの中には掟破りの方法で成功している者もいるからだ。
例えば、ハードコア・アダルトビデオで成功している者やラブ・ホテルで
成功している社長さん、ホームレスだったがリサイクルショップで成功し
た社長さんがこの番組に出ている。

だが、果してこのような社長さんが、健全な企業を立ち上げようとしている
若者と意見が合うだろうか。
例え出資者となった場合、適切なアドバイスを与えることが出来るだろうか。

株主とベンチャー経営者の関係は非常に面白い。


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日本は世代交代の時期に入っているだけではないだろうか?

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