特集!MBAで使う教科書(入学準備から日々の学習まで)

□ ここはまだ入学準備編(参考書) □

日本人のためのMBAベストスクールガイド
MBAに行こうと思ったらまず読みたい。自分の英語力、予算を判断して留学までどの位の年月が必要か計算する。個人的には若いうちに行くべきである。特に職種をチェンジして再起復活を狙う人は。学校にもよるだろうがアメリカ人は20代半ばが多い(年をとっている人もいるため平均は若干高くなるだろうが)。学生をやるのだから若い方が良いのは当然のことと思う。30を超えてから行こうと思う人は、周りは20代だらけ、年下のやつとも対等に扱われる、就職するのであれば多くの場合厳しい。という現実を認識すべきである。女性も日本人はMBA留学する人は少ない。日本の女性は文学系とか非ビジネスや、語学留学(遊学)は非常に多いのだが。。
また、ランキングも要注意。トップ系は非常に厳しいから課外活動(クラブ活動や遊び)が制限されることが多い。ランキング中級とかで規模(学生数)の小さい学校は良い人脈はつくれない。また学費であるが、物価(特に住居)の方が重要だと思う。大都市での家賃は東京並み。田舎は恐ろしく安い。寮で生活するのであれば、それほど関係ないかもしれない。


GMATオフィシャルガイド(The Official Guide for Gmat Review)
定番である。ここにある問題を全部やることがまずGMAT勉強の最初の課題である。全部何度もやるだけでも600は行くのでは無いだろうか?最も電話帳より分厚くて、忙しいビジネスマンに取ってこれを全てヤレというのは酷に感じるのだが。。見ただけでやる気のうせる厚さ。だが、誰もがこの本は全て解いているはずである。
ネイティブはGMATの英語の読解ができてしまう。日本人にとっては全部読めないほどの英文量、英文の難しさなのに。
でも、このオフィシャルガイドで投げ出してしまう者も多いのだろうなぁ。


MBA留学 GMAT完全攻略 (青本)
プリンストンレビューでのテクニックが載っている。GMATは単なる英語力、数学力を試すテストでないことがわかる。
逆にGMATの性質さえわかってしまえば、実力が無くても高得点が狙えることがわかる。これも必須。
この本も日本の受験生のほぼ全員がやっているくらい有名だと思う。


はじめてのTOEFL―必ず出題される基礎文法集中攻略 
文法は満点を狙える。250点(ペーパー600点)でMBAに入学しても、英語では大変苦労する。でもその中で英文読解、エッセイ作成などはこのとき学んだ文法がモノを言う。逆に入学してからは英文法など学ぶチャンスは無くなる。
ところで、英語をまったくやってこなかった人にとって、MBA取得の道のりは単に「厳しい」という言葉だけであらわすことのできないほど大変である。合格までに犠牲にするものは多々あることを覚悟すべきである。
仕事もやっぱりおろそかになるし、恋人や家族との時間を割くことにもなる。英語がゼロからだとたぶん合格までは3000時間以上かかるのではないだろうか?これは他の国家試験に合格するために必要な時間以上に相当することを最初に認識しておくべきだ。


TOEFL test 620点―実戦型文法完全制覇マニュアル   
上の本の続編。タイトルは違うがレベルは一緒位じゃないだろうか。2冊やって初めて文法の箇所が網羅される感じである。
ちなみに、MBAを目指しても途中で挫折してしまう人は非常に多い。その多くの原因が金銭的な問題というよりも英語力向上に限界を感じることにあると思う。その証拠にMBA留学予備校では途中で授業に来なくなってしまう人が結構いるものだ(多額の出費をしたにもかかわらず!)。
また、MBA合格までに予備校等に行くとどのくらい金がかかるかも考えておいたほうが良い。予備校の金額は恐ろしく高い。でも、やはり予備校は情報を沢山持っている。もしこれからMBA留学を目指して貯金をするのであれば、学校にもよるが1500万円は貯めたい。ギリギリの貯金で来る人もいるが、せっかく他国に来て貧乏をするのは非常に辛いというかもったいない。米国であれば車が必要になる可能性が高いし、ゴルフや遊びでの出費も多いと思う。特に社費留学生は会社の金だから金遣いが荒くて、私費でギリギリの予算でくるとかなり惨めな思いをする。それにMBAを終えてすぐに良い条件での就職先が見つかるとも限らないから。MBAの私費学生はこの金額+留学期間中の無収入がどれほどの機会損失であるかを当然悩んだ末に来ている。


TOEFL(TOEFL Test Preparation Kit (4CD + sample CD-RON))
ペーパーのKitである。これとテスト受験後にもらえるCDROMがTOEFLにおいて重要だ。リスニングの声が同じ人がいるし、音質の悪さも耳を鍛えられる。
この会話をひたすらシャドーイング、ディテーションでものにする必要あり。Listeningのスコアが26以上であっても入学して学生の発言んが全然聞き取れない。教授の発言も半分程度しかわからないのではないか?MBAの授業料は高い。1時間で1万円近くするのではないか?(単に授業料を授業時間数で割ると)。聞き取れないと入学してから困るし、何しろ授業がわからないとお金がもったいない。それに、入学して(渡米して)から英語が伸びると思ったら甘い。特にサマースクールのようなゆったりとした英語を聞いたら英語力が落ちる。卒業するまでほとんどリスニングが伸びない人もいるのだ。リスニングは最重要。


Toefl Practice Tests 2
こちらもETS発行の正規本。過去問が4回分ある。
TOEFLの点数が高い人はそれなりに英語力があると言える。でもやはりテストなので、英語力があっても点数が低い人もいる。
だが、はっきり言おう。MBA取得というだけで英語がペラペラな日本人はほとんどいない。MBA取得の2年間の外国生活で英語ができるようになるほど英語は甘くないのである。まあ、酷い発音のなまりは残り、ある程度リスニングで困らなく、モノが書け、生活に困らないという程度である。
海外での就職となると全然通用しない英語力といわれてしまうのが一般的である。いい年して海外で就職するためにMBAを取ろうと思うのであれば、多くの場合費用対効果的に見合わないでしょう。(まあ、こういうのは費用対効果では計れないものですが。)


Barron's How to Prepare for the Computer-Based Toefl Essay
エッセイの練習もしっかりとしておく必要がある。TOEFLが終わってもGMATのライティングがあるし、受験には推薦状もエッセイも書く必要がある。TOEFLで出題されるWritingの問題は決まっているのだから、この本にある問題全てに目を通し、書き方もしっかり学んでおく必要がある。
ちなみにMBAの授業では、ライティングでアメ人と点数に大幅に差が出てしまう。グループワークでは日本人の書いた英文は真っ赤に直されてしまう。(アメリカ人が文法など苦手だというのは有名だが、さすがにビジネススクールに来るアメ人は文章はしっかり書ける)。
また、日本人の文章は論理的でないと駄目だしをくらう。文章の書き方という英文以前の問題も多いのだ。


究極の英語学習法K/H System
シャドーイングという英語学習法について書かれた本である。別に究極の英語学習法でもなんでもないと思うのだが。。日本人が一番苦手とするのは、やはりリスニングである。日本人が使わない発音(ThやR,L、C)はもう聞いても区別できないし、速過ぎる。
クローズドチャプター(テレビの字幕)があってもテレビの内容が完璧にはわからないだろう。でも、字幕なしだったらお手上げではないだろうか?映画を字幕なしで見てみよ。
いかにリスニングが大変かわかる。色々な方法があるだろうが、シャドーイングが最も定評があるリスニング向上の手段といわれている。


LIVE from N.Y.―ニューヨークをまるごと聞き取ろう!
MBAでは学生の会話は映画の会話そのものだ。速いし、日本人はほとんど習ったことのないようなスラングがもりもり出てくる。
アメ人と対等に話せるようになるには相当の時間を要する。逆にちゃんとリスニングが出来ないと、相手の言っていることをあいまいに返信したりして、「こいつは馬鹿じゃないか?」とか誤解されがちだ。
TOEFLのリスニングだけでなく、やはり実践に近い形で勉強したほうが良い。
恐らく、TOEFL、GMATの目標点に達するよりも、もっともっと大変な道のりがリスニング向上だと思う。
TOEFL260点、TOEIC900点は単なる通過点に過ぎないと愕然とさせられる。

ほとんどの日本人MBA学生にとって、MBAで一番過酷なのは英語ができないハンデだと思う。TOEFL、GMATが終わっても英語の勉強は終わりにはならない。


大学院留学のためのエッセーと推薦状―ビジネススクール、ロースクール出願完全ガイド
英語力も大切であるが実は出来て当たり前なのである。、エッセー・推薦状が合否にもろに影響してくる。エッセーはできれば、予備校のカウンセリングで見てもらうのが良いが、これは恐ろしく高い。時間単価は弁護士に相談する並だ。
でも、MBAに入って何がしたいのか?何が貢献できるのか?将来自分はどうなりたいのか?何故その学校を選んだのか?と面接でも聞かれる。しっかりと自分を持っていないと、面接でタジタジになってしまう。英語での面接は非常に過酷であるが、実はアメ人との普通の会話に比べると質問内容も回答もわかっているので楽なのだ。


□ いよいよここからコア科目教科書 □


SHARP PW-A8700 電子辞書
MBAは当然ケースも教科書も全て英語。英語漬けの毎日。英語が好きな者にとってはたまらない環境である。だが、実際には英語ができなくて愕然とさせられる。GMATであれほど難しい単語を覚えたのに、全然単語力が足りないのだ。
常に辞書は必須。英英辞典にも慣れていかないと、いつまでたっても英語に慣れない。



ICD-SX55 ICレコーダー
最初は教授の話もよく聞き取れない。だんだん聞き取れるようになっても80%、90%位で100%には及ばない。そのわずか10%程度の聞き取れないところが、重要だったりする。そこがわからないばっかりに、自分の想像で解釈してしまう。MBAでは学生も教授以上に話す。だが、彼らの英語は映画のスピードなのでほとんど聞き取れない。英語ができるアメ人でさえ録音している者がいるのだから、日本人には必須だろう。
また、いくら発音の練習でも使える。英語を勉強していると、自分の発音が綺麗になったという幻想を抱くが、実際に録音して聞いてみよ。死にたくなるくらい恥ずかしい発音なはずだ。レコーダーは自分の発音チェックにも終始使うのだ。シャドーイングでイヤホンで英語を聞きながら自分で発音して録音するのに良く使う。


ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
この本もMBAで多く読まれている(原書が)。小説で工場の業務改善プロセス(TCO)を学べる。小説は危機にある工場長の話で、ヨメに逃げられ、追い詰められていく男の話。小説部分は下らないが、小説の中に出てくるユダヤ人物理学者がTCOをわかりやすく教えてくれる。
「こんなにうまくいくものなのか?」
と思ってしまうかも。これも英文で読むのは厳しいから日本語で読んでおいたほうが良いのではないか?
ずばり言うと、日本人が3時間かけてケーススタディ(多くがハーバードのもの)を読んでも、英語だからたいした理解できずに、左から右へ目を通して、左から右に脳みそを通過していくだけ、と感じるのに対し、アメ人は30分位スラスラ目を通すだけで、理解度は日本人より高い。
英語が日本語並にすらすらと読めるようには一生努力してもならないのではないか?但し、英語も読むのはガンガン速くなる。MBAではどうしても読まざるを得ないから。


MBAファイナンス
わかりやすく簡単に書かれている。まずはこの本からやるとよい。但し、この本の内容は授業の2回くらいで終了してしまう。それくらいMBAの授業は速いししんどい。
ただ、ファイナンスの授業は数字が多いので、それほど英語のハンデを感じないで済む。


ビジネスゼミナール企業財務入門 
ファイナンスの教科書の補助として比較的長く使える。MBA入学希望者でなくてもファイナンスの勉強に良いと思う。


英文簿記入門 
MBAでは簿記はある程度常識としてさらっと流されてしまう。だが、これがわからないともうアカウンティングの授業はお手上げ。授業が始まる前に抑えておきたい。日本語と英語だと用語が全然違うので、確認のためにも読んでおくことは重要。


英文会計上級 
アカウンティングの最初のやまはキャッシュフローステートメントだ。日本の簿記だとやらないが、非常に重要。しっかり学ぶ必要あり。


ポーター教授『競争の戦略』入門 
戦略論はどの授業でもやるはず。そしてかならずポーターの5フォースを通るはず。最初の1、2回でさらっと流されてしまうかもしれないが、この考えはMBAにおいて終始使うはず。しっかりと理解しておく必要あり。実務でも結構使えると思う。


入門マクロ経済学 
これも結構入学前に必要だったりする。MBAの授業は実践的な科目が多いので、このように理論的な学問をしっかり学ぶのは新鮮で楽しかったりする。それに経済学の概念はMBAの他の授業でも色々登場するから。


国際政治経済学・入門 
MBAというよりはMPAやMPP(パブリック系)よりの学問。政治的な内容は企業倫理にもからんでくる。アメリカのグローバル企業の経営者の多くはリベララルであるという前提もMBA全般にわたって常識として扱われる。日本の大企業は比較するとナショナリスト(保守的)だと考えさせられたものだ。どの思想が良いのかわからないが、リベラルの目指す市場にどんどん近づいている気がする。その結果富を持つものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなっているのが現状である。


はじめての統計学 
塾長の本として多く読まれている。統計またはデータ・アナリシスという授業で使われる。アメリカ人は数字に弱いという噂も間違いだと思い知らされる。理系でないと難しいだろう。十分な予習が必要だと思われる。ただし、数学的な教科のため英語力がハンデとならず、アメ人と対等に勝負できる科目でもある。


□(参考)MBA学生の種類

一発逆転狙い型 キャリアアップ狙い型 社費留学型
  • 就職後、自分のキャリアを築いていくのに、仕事を通じたキャリアアップに限界を感じている者。
  • 資格や学歴にコンプレックスを抱いている者。
  • 現状に不満があり、MBAが解決してくれると幻想を抱いている者。
  • 海外に対する憧れを持ち続けて来たにもかかわらず、今までの人生で何もしてこなかった者。
  • 急に思い立って、MBAがすごいと思っている者。
  • アントレ(起業)に憧れを持っているのだが、自信が無くて出来ないもの
私費留学のほとんどの学生がここに分類される。努力が報われなかった者が多いといえるかもしれない。だが、この中にはMBAというブランドで一発逆転が実際に出来てしまう者もいる。(わずかだが。。)

MBAに来なかったなら、性格の問題からか大きく人生を変えることはできないであろう者達が、MBAで人生を変えることができてしまうのだ。わずかな成功者が、留学予備校や雑誌で取り上げられる。
ちなみに、海外での生活で価値観や性格が変わることはほとんど無い。
人生を変えることのできる人は、努力で人生を切り開いていると思う。
  • すばらしいキャリアを持っているのにさらにキャリアアップを狙っている人。
  • 努力(自己への挑戦)が生きがいの人。
  • 将来本当に大物になりたい者。
  • 信念を持って生きている者。
  • 今までの人生で何でも努力が報われてきた人。

中にはこういったうらやましい人もほんの一部ですがいるのです。MBAにも大して努力しないで受かってしまう人が。
こんな人は出会ったことが無かったなぁ、すごいなぁと思う人に出会えるというのもMBA留学ならではなのかもしれない。
逆に彼らでも、MBAに集まるすごい連中に対して挫折を味わうというから、一般人は愕然とさせられる。
しっかりとしたキャリアを持っているので、卒業後もキャリアアップが確実。
  • 社内の熾烈な競争からMBA留学を勝ち取った生え抜き。
  • 会社からの期待を背負ってきている。(実際には税金対策の一環だったりするのかもしれないが。。)
  • やはり優秀な者が多い。

自分の金で来ていないから、自分の金で来ている者とは真剣さが違う。モチベーションも必死な私費留学生には勝てない。だが、バケーションとして捕らえれば、MBA生活を十分有意義に利用している。
基本的にMBA取得前後で何も変化の無い人が多い。
2年間の生活費+給料がだいたい全額支給のため、私費学生との2年間での貯金の差は2000〜3000万円にも膨らむ。

お金持ちの御曹司もあえて言えば、ここに分類されるが、彼らのほとんどはモチベーション的にも能力的にも他からずいぶん劣る。



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